UP 2016.7.6HRY
MNC 2016年6月探鳥会
甲山探鳥会 吉備中央町&八東ふる里の森
〜ブッポウソウ・コノハズク・オオコノハズク・アカショウビンを訪ねて〜
■日時:2016.6.29(水)8時〜6.30(木)16時
     天候:1日目 雨のち曇/2日目 曇
■場所:1.岡山県吉備中央町豊岡周辺
     2.鳥取県八頭町八東ふる里の森
■参加者:6名
趣旨:
吉備中央町で繁殖中のブッポウソウの観察と八東ふる里の森でアカショウビン、コノハズク、オオコノハズクなど普段見られない貴重な野鳥を観察する。
行程:
6月29日(水)

8:00 宝塚駅発 中国道・山陽道
9:20 龍野西SAで休憩
10:40 岡山道 賀陽IC
10:55〜11:45 道の駅かよう(昼食)
12:10〜13:10 横山様
13:25〜13:35 加茂川養蜂場前
13:55 岡山道 有漢IC
14:01 中国道 北房JCT
14:32〜14:49 勝央SA 休憩
15:11 佐用JCT
15:56 鳥取道 河原IC
16:30 八東ふる里の森(泊)
6月30日(木)

11:40 八東ふる里の森発 R29号
12:58〜14:08 道の駅羽賀南(昼食)
14:37 中国道 山崎IC
15:25〜16:10 赤松SA 休憩
16:10 解散

走行ルートはこちら (走行543km)

第1日 6月29日(水)

「吉備中央町でブッポウソウ」
 山陽道は曇り空時々晴れ間もあったが、岡山県に入ると断続的に雨が降り出す。岡山道賀陽(かよう)ICを降りて道の駅「かよう」で昼食休憩するも雨が降りつづく。アーケードにはツバメの巣がいくつもあり、軒下をツバメが飛び交っていた。さて、ここ吉備中央町は、ブッポウソウの営巣の地で、地域おこしの取り組みとしてあちこちに観察場所を作っている。
(ブッポウソウ観察マップ)
R484を走り、観察場所の一つ、下土井の横山様へ向かう。横山様とは腰痛に霊験あらたかなお寺で、車道から棚田の道をジグザグに登ったところ(標高280m)にある。駐車場へ到着するも雨激しく降り続き、小止みの合間に寺小屋に駆け込む。先行車が2台あり、すでにテント張りの観察場でカメラを電柱の巣箱に向けている。巣箱には5羽の雛が親の帰りを待っている様子がテレビモニターに映し出されている。大雨で餌がなかなか獲れないのであろう、約1時間待機したが親は現れず。

<横山様観察場所>

12:10〜13:10


横山様観察場所全景

腰痛地蔵尊 横山様

通信用鉄柱の上に設置された巣箱

観察テント小屋

親鳥の帰りを待つ

モニタには餌を待つ雛が5羽
次の豊岡上の加茂川養蜂場前(標高200m)に移動するも、こちらも空振り。しかし、見ましたよ。電線越しに森へ向かって飛ぶ2羽の鳥はブッポウソウに違いない。カラスより小型でくちばしは黄茶色であった。車窓からただ一人私だけの視認では見たことにならないの?

<加茂川養蜂場前観察場所>

13:25〜13:35


加茂川養蜂場前観察場所

巣箱

加茂川養蜂場(モニターあるが、施錠で入れず)

幻のブッポウソウ(2014吉備中央町)
「八東ふる里の森」
 残念ながら、ブッポウソウの観察はあきらめて、八東へ向かう。岡山道有漢ICから中国道・鳥取道を走り、河原ICで降りる。一般道で細見川を遡り、16:30妻鹿野(めがの)八東ふる里の森管理棟に到着。標高700m、ブナ林に囲まれた静寂の地で、ナツツバキの花が我々を迎えてくれた。雨は上がったようである。簡易宿舎A棟は畳4.5畳、板の間6畳に台所トイレ付きで7人は寝泊りできる(1泊¥16,600)。女性陣3名は準備してきた食材で夕食の支度、男2人は管理事務所の情報で早速下見に出かける。出遅れた私は配膳などの準備に捕まる。

八東ふる里の森入口(もみじ橋)

八東ふる里の森管理棟

簡易宿舎A棟(奥)
家では食べられないような豪華な料理が食膳をにぎわす。Iさんが腕によりをかけて作ったものだ。差し入れのワイン、日本酒、干し柿のチーズサンド、モモ等も加わり、鳥談議に話が弾む。至福のひと時だ。

簡易宿舎内

豪華夕食メニュー

食卓を囲んで
「夜の野鳥観察」

<コノハズク・オオコノハズク>

 日没、さーて外へ出かけてみよう。いただいた案内図では、コノハズク、オオコノハズク、アカショウビンの出現ポイントが書かれている。管理棟のボードにも書いてある。それぞれの観察場所にはテントと椅子が用意してあって、ライトアップの用意も整っている。管理棟北側の観察ポイントBでコノハズクをじっと待つ。「カンチョウ」さんが森に向かってオハヨウ!オハヨウ!と連呼しているが現れず。待っている間、「カンチョウ」さんの解説を聞く。セキショクオオコノハズクは世界でここだけに生息し、図鑑にもない。ライトアップを非難する人もあるが、鳥にやさしい環境づくりをしているから鳥たちがやってくるのだと。宿舎近くのポイントAに移動すると、巣箱近くにコノハズクが現れた。そこ!そこ!と皆さんが教えてくれたものの、一瞬で良く見えなかった。23時ごろ宿舎に戻る。Aさんは撮影のため徹夜覚悟で居残る。
八東ふる里の森案内図と観察ポイント(管理棟のボード) クリックで拡大

ブナ林にコノハズクの巣箱

観察場所:テントと椅子とライトアップ設備(Aポイント)

コノハズク・オオコノハズクの写真(クリック拡大:撮影 Aさん)


コノハズク@

コノハズクA

オオコノハズク@

オオコノハズクA

第2日 6月30日(木)

<アカショウビン待ち>

 翌朝は3時半起床でアカショウビンを見る約束だったが、結局起きだしたのは5時。バンガロー小屋群の一番奥の観察ポイントCに行く。アカショウビンの鳴き声を聞いたと、リーダーのKさん。すでにカメラマンが2、3人アカショウビンの巣穴に焦点を合わせて待機している。傍らには夕べの「カンチョウ」さんもいる。肉眼や双眼鏡ではどの樹なのかさっぱりわからない。新潟から来たというカメラマンによると、巣穴に葉がかぶってしまって全体を写せないとぼやく。アカショウビンは抱卵中で、4〜5時間ごと雄雌交代の一瞬しか見ることができないという。次の交代は8時ごろという。辛抱切らして、7時過ぎに朝食の準備で宿舎にいったん帰る。再び戻ってきたのは8時半だったが遅かった!やっぱり8時ごろにやってきたという。残念!件の新潟君によれば、しっぽしか撮影できなかったという。雛が孵り、給餌の時期ならばもう少し頻繁に見ることができただろう。次の時間は12時頃だが、帰りの時間を考えて11時半まで待つも現れず。幻のアカショウビンとなってしまった。

*7月8日再訪したK氏によれば、アカショウビンに出会えなかったそうです。今年は どうも繁殖が順調ではないのかもしれません(2016.7.11追記)


森奥のアカショウビンの巣穴に狙いを定めるカメラマン(Cポイント)

アカショウビンを待つ、左端「カンチョウ」さん

幻のアカショウビン(2015ささやまの森公園)
「帰路宝塚へ」
 ブナ林を散策、管理棟のキセキレイの見送りを受けて11時40分八東ふる里の森を出発。29号線を走り、道の駅「波賀南」で昼食休憩。お土産などを買って、山崎ICから中国道に乗る。赤松SAで解散、お世話いただいたドライバーKさん、Aさん、また夕食・朝食を用意していただいたIさん他女性陣に感謝する。
「まとめ」
 参加した皆さんの感想をもってまとめとします。
・吉備中央町の横山様ではブッポウソウの雛は孵っていたが、折からの大雨のため親は帰ってこなかった。餌となる昆虫を獲ることが出来ないためだろう。
八東ふる里の森では29日の夜、そして翌30日は朝5時から様々の鳥の鳴き声を聞き、深い緑の中で至福の時間を満喫した。アカショウビンは抱卵中のため4,5時間に1回の割合でつがいが抱卵交代のために出入りした。雛が孵ってからの方がよく見れるだろう。(K)
・29日は雨で残念でしたが夜にコノハズクなどを見る事が出来て良かったですね。アカショウビンをしっかり見れる時にはコノハズクが見れないのでは???あれもこれもと欲を出さずに1種が見れると良しとしたいです。又の機会にいらっしゃい!ということです。また行きたいですね!(I女史)
・コノハズク、オオコノハズク(幼鳥)に会えたのは嬉しかったです〜!
姿を見る事ができるのは一瞬で、次来たら…次来たらもっと良く観たいと待つ間に時が過ぎてしまいました。アカショウビンは朝3:30に皆さんを起こせば良かったのに…とちょっと口惜しく思います。子育て中には是非行ってみたいと思っていますが…重い腰が上がるかどうか?遠方なので少々不安です。戸隠でも見る事ができませんでしたので、挑戦してみる価値ありと自分に言い聞かせていますが…。
Aさん、きれいな写真 ありがとうございました。好きでないと撮れませんが、忍耐の写真。送って頂いた写真を見て何度でも楽しませて頂けますし、コノハズクやオオコノハズクの詳細を確認できます。幼鳥も見る角度によって随分表情が違って見えますね。Iさん、お料理の準備万端整えて頂き、ありがとうございました。彩も良く美味しい夕朝飯でした。(K女史)
・八東の森は最高の所ですね!!!アカショウビンには又お目にかかれませんでしたが、コノハズク達にお目にかかれて幸いでした。美味しい食事と、緑の中でぼんやり出来たのが何よりも良かったです。楽しい二日間でした。車で運んで頂き、後ろで寝ていました私なのですが、帰ると疲れてぼんやりでした。他の皆さまは本当に大変でございました。有難うございました。Aさま、アカショウビン、コノハズクのお写真早速有難うございました。写真を見ていると出会った気分になりました。朝孫達が食事に来てパンフレットの絵を見せるとびっくりしていました。アカショウビンに会えなかったのは、八東へ又おいでよと言うサインでしょうか?絶対にいつかどこかで出会いたいと祈っています。(Y女史)
・ブッポウソウ、アカショウビンは幻となってしまいましたが、皆さんのお話を聞いているとそもそも1回目で見えるなんて甘いことはまずないようです。これに懲りずに、何回も挑戦してみたいです。 雨の中でしたが、楽しい思い出となりました。 お世話いただきありがとうございました。(H)
<観察できた野鳥>
6月29日(吉備中央町):
アオサギ・ダイサギ・コサギ・ブッポウソウ・ハシブトガラス・ツバメ・ヒヨドリ・スズメ・セグロセキレイ・ホオジロ(10種)
6月29/30日(八東ふる里の森):
アオバト・ホトトギス・ツツドリ・オオコノハズク・コノハズク・アオバズク・アカショウビン・コゲラ・アオゲラ・ヒガラ・シジュウカラ・ヒヨドリ・ゴジュウカラ・ミソサザイ・トラツグミ・キビタキ・オオルリ・キセキレイ・ソウシチョウ(19種) 
文/平山、写真/青山・今西・平山、編集/平山
企画担当:黒田・今西
武庫ネイチャークラブ

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