MNC例会 宿泊研修バスツアー
若杉天然林〜西はりま天文台 |
■日時:2008.5.28(水)/29(木) 曇のち雨/曇 ■場所:第1日 若杉天然林、乙大木谷棚田、西はりま天文台(泊) 第2日 道の駅平福、現代玩具博物館・オルゴール夢館 ベルピール自然公園 ■交通:グリーン・ツーリズムバス ■参加者:MNC24名(内ゲスト 6名) |
<行程>
第1日:宝塚駅0840〜中国道佐用IC〜R373〜道の駅あわくらんど(休憩)〜若杉天然林(1045〜昼食〜1430)〜乙大木谷の棚田(1530〜1610)〜西はりま天文台1630・・・天文台見学(1930〜2100) 家族ロッジ泊
第2日:西はりま天文台0810〜平福道の駅(研修)・因幡街道平福市(きな粉作り)(0825〜0940)〜現代玩具博物館・オルゴール夢館(1020〜1230)〜愛の村パーク(昼食)〜ベルピ−ル自然公園(1345〜1435)〜R373〜中国道佐用IC〜宝塚駅1630解散
第1日 若杉天然林(10:45〜14:30)
岡山県の東北端 中国山脈の山ふところにいだかれた西粟倉村にあります。標高930m〜1190mで鳥取県と兵庫県とに接し、氷ノ山後山那岐山国定公園の特別保護地区に指定されていて、“森林浴の森 日本百選“に選ばれています。吉井川の源流をなし、樹齢200年以上のブナをはじめ、ミズナラ、カエデの古木、巨木など199種の植物が立ち並ぶ天然林で、野鳥の宝庫でもあります。3kmと5kmの散策道があり、県境の峠には宝暦四年(1754年)七月と刻まれた地蔵が祀られています。
駐車場(標高910m)から散策路へ入ると、いきなりオオルリの歓迎です。新緑に輝くブナ、ミズナラ、カエデの渓谷を緩やかに登る。聞こえてくるのは川のせせらぎと小鳥の声だけです。樹木には漢字の名札がついています。水楢、大板屋名月、羽団扇楓、沢蓋木、・・・・。
入口:若杉特別保護地区 |
ブナ、ミズナラ、カエデの道 |
吉井川源流の滝 |
全員観察モード。カメラ、ルーペ、図鑑を取り出し、文字通り、森を見るより木を見るといったところでしょうか。サワフタギ、オオカメノキ、ユキザサなどが白い花をつけています。若杉峠(1052m)まで1.5Kmの道に1時間30分もかかりました。
目だって多い大板屋名月 |
源流の湿原を行く |
若杉峠の地蔵 |
若杉峠展望台の東屋で昼食タイムとする。氷ノ山、くらます山、三室山など県境の山々が広がる。5kmコースの帰りの稜線の道は、ネガマリタケの群落の中にミズナラやブナの古木が立ち並ぶ。時間がないので、観察もそこそこにピッチを上げて歩きますが、手にはしっかりとネガマリタケの筍が。
東屋から氷ノ山、くらます山、三室山が展望
稜線にはネマガリタケとブナ、ミズナラの古木
お土産はネガマリタケ
ブナ林で
下ばかり見ていないでもっと上を見て(5kmコースのブナ林) |
車中で、観察した草花や鳥合わせを行いました。
白い花をつけた草木
1.サワフタギ | 2.オオカメノキ | 3.ウツギ | 4.タニウツギ | 5.ナナカマド | 6.ツルアジサイ | 7.ガクアジサイ | 8.マタタビ |
9.ホウノキ | 10.ユキザサ | 11.ミヤマシキミ | 12.ミヤマムグラ | 13.チゴユリ | 14.サワハコベ | 15.クルマバソウ |
観察した野鳥
1.オオルリ | 2.ウグイス | 3.ツツドリ | 4.ホトトギス | 5.ミソサザイ | 6.アカショウビン | 7.アオゲラ | 8.カケス |
9.ヒガラ | 10.キセキレイ | 11.シジュウカラ | 12.ヤマガラ | 13.コルリ | 14.ジュウイチ | 15.イカル | 16.コマドリ |
乙大木谷集落の棚田(15:30〜16:10)
その美しい景観から、日本の棚田100選に選ばれた兵庫県佐用町乙大木谷にある棚田。中世(平安〜室町時代)に開発されたもの。988枚の石積み構造で19戸の農家が保有。不耕作田はボランティアが維持・保全につとめている。絶滅が叫ばれている、タガメの生息区域でもあり、多様な動植物や貴重な動植物の生息空間として大きな役割を持っている。
西はりま天文台見学(16:30〜21:00)
兵庫県立西はりま天文台は 、兵庫県佐用町の大撫山435mの山頂の西はりま天文台公園にある。1990年開所した。日本最大で、一般公開を前提としたものとしては世界最大の口径2m反射望遠鏡「なゆた」(2004年11月供用開始)をはじめ、60cm望遠鏡などの天体観測施設がある。
到着した頃から小雨が降り出し、残念ながら「なゆた」での観望はできなかったが、研究員による春の星座の解説や、「なゆた」望遠鏡を見学することができた。晴天率が30%ということは3回に1回しか観望ができない計算であり、アンラッキーというほかない。
2m反射望遠鏡(左)と60cm望遠鏡のある建物 |
春の星座について講義 |
外は雨、「なゆた」望遠鏡見学 |
2mの反射鏡を覗く |
第2日 ひらふく道の駅・平福市(8:25〜9:40)
グリーン・ツーリズムバスの視察研修のため、国道373号線佐用町平福にある「宿場町ひらふく道の駅」に立ち寄る。道の駅はレストラン、農産物直売所、休憩所・情報コーナーなど地域の特徴を持たせた休憩施設である。平福は城下町であったが江戸時代には因幡街道最大の宿場町として繁栄した。近くに宮本武蔵決闘の場、利神(りかん)城跡がある。
平福市に程近い口長谷の小学校跡地を利用した「長谷ふれあい加工場」で、「ほほえみ会」の指導のもと、きな粉作り体験をする。小学生が栽培した大豆を大釜で煎り、石臼で轢き、でき上がったきな粉で女性陣がおはぎをつくる。きな粉ともどもいいお土産となった。
大豆を煎る |
石臼でひく |
きな粉の袋詰め@250で販売 |
現代玩具博物館・オルゴール夢館(1020〜1230)
岡山県美作市東粟倉。県の最高峰「後山」1345mの麓に1995年9月に開館した『現代玩具博物館・オルゴール夢館』。この博物館には約50社、1600種、4000点の世界各国のおもちゃが展示され、オルゴール夢館が併設されています。「現代玩具」とは言っても、テレビゲームやプラスチックなどの流行を追ったおもちゃのことではなく、木製の自然な素材を使った積み木や人形などです。ヨーロッパの積み木やからくり人形の実演やアンティークなオルゴールの演奏を聴かせてもらいました。
多彩な積み方のできるスイス製の積み木 |
巨大なディスクオルゴール |
くるみ割り人形(からくり) |
スイス製の積み木の実演を見て、孫のお土産にと思った方も多いと思いますが、¥15000となると二の足を踏みます。オルゴールもまるでスピーカーから流れるような大きな音を出しますが、すべて共鳴のなせるわざということが分かりました。
現代玩具博物館・オルゴール夢館前で記念写真 |
ベルピ−ル自然公園(1345〜1435)
岡山県美作市東粟倉。日名倉山1047mの麓に ベルピール自然公園があります。この公園は、自然と調和の取れた美しい村づくりを目指す「愛の村づくり」を推進するためのシンボルとして建設されました。 愛の鐘「リュバンベール」はフランス語で「緑のリボン」を表わしています。直径2メートル・重さ6トン・低い「ソ」の音階をもち、標高865メートルから美しい音色を響かせる。
凱旋門に似た鐘楼 |
リュバンベールの鐘をつく |
東粟倉村を見下ろす |
ベルピール自然公園を後に、帰路につく。岡山、兵庫、鳥取県にまたがり、盛りだくさんの名所を回る自然観察ツアーでしたが、予想されたほどの天気の崩れもなく無事に帰宅。お土産はネマガリタケときな粉でした。「なゆた」望遠鏡での観望ができなかったのが心残りでしたが、リベンジしましょう。企画いただいた今西さん、岡田さん、ガイドいただいた村瀬さん、桑原さん、坪田さんありがとうございました。
武庫ネイチャークラブ
写真・編集 平山