UP 2007.8.11HRY
朝日新聞 阪神工場(西宮)見学
■日時:2007.8.6(月) 12:20〜13:20 ■場所:朝日新聞阪神工場 西宮市鳴尾浜3丁目 阪神甲子園駅鳴尾浜行バス15分 ■参加:MNC17名 |
【武庫ネイチャークラブでは、自然環境関連や学校などでの活動に加えて日頃活動している地域での文化や諸社会活動に接して見聞を広める機会を増やそうと考え、今回は朝日新聞社阪神工場を見学しました】
西宮市鳴尾浜にある朝日新聞阪神工場は、全国にある朝日新聞の22工場のうち最後にできた最新鋭の印刷工場です。兵庫県および周辺地域に、朝刊45万部、夕刊26万部を印刷、配送しています。編集された記事ががどのように印刷されて各家庭に届くのか、本日の夕刊の製作過程を見学させていただきました。
朝日新聞阪神工場 |
見学は毎日夕刊印刷時の2回(12時20分、14時00分) となっています。我々一行が工場玄関に到着するや、待ち構えたスタッフが「朝日新聞見学記念版」に掲載する集合写真を撮影する。
2F読者ホールで概要説明とビデオ、上はホールからの展望 |
案内された2階の読者ホールからは、甲子園浜から阪神間の街並み、六甲山を見渡すことができ、展望が一つのセールスポイントとなっています。家族連れの皆さんとともに、新聞のできるまでのビデオや説明を受けて、女性ガイドSさんの案内で工場へ進む。工場内は展示以外は撮影禁止のため一部カタログから転載しました。
◇印刷工程
1.製版
現在の刷版 |
昔の鉛版 |
大阪本社からデジタル回線で紙面データを受信し、CTP(computer to plate)という装置でレーザー光線を使ってアルミ板に焼きつけ、刷版を作る。
2.給紙
AGVで巻取紙を運搬 |
自動給紙機へ |
一本長さ19Km、重さ約1.4T、の巻取紙を走行クレーンで移動させ、AGV(無人搬送車)が輪転機給紙部へ運び、取り付ける。巻取紙の幅は3種、最大4ページ幅のものがあり、両面印刷で一度に8ページ分印刷可能。
3.印刷
輪転機が5台 |
両面8ページ分を印刷する輪転機5台が時速40Kmで回転する。1秒間に50部、1時間に18万部を印刷する。1本の巻取り紙は24分で消化し次々に自動給紙されます。ここで働く人は3、4人と省人化している。
4.発送
発送行程ライン |
見学を終えて玄関で |
刷り上った新聞を自動的に必要部数の束にまとめ、宛名用紙を載せた上透明フィルムで梱包、宛名ごとに待機しているトラックに積み込み、配送します。
省力化・省人化されたこの工場は従業員60名が3交代で働いています。環境についての説明はあまりありませんでしたが、新聞用紙は60%古紙を使用、工場からの廃棄物は業者が引き取ってリサイクルへ、トイレ照明は自動点灯式と、環境への配慮が伺われます。
◇題字について
新聞の題字について、見学に先立って案内のSさんから説明を聞きましたが、
毎日見ていても気がつかなかった次のことを知りました。あらためて良く眺めてみよう!
題字:唐の書家「欧陽句」の句「宗聖観記」の筆跡を使っている。
1979年朝刊から「新」の字の「木」は古い字体の「未」となっている
当時は誤字でないと判断:子供には注意要
題字の地紋
・東日本(東京本社・北海道本社:静岡県より東)は
「朝日ににほう山桜花」から・・「サクラ」
・西日本(大阪本社・西部本社:名古屋本社)は
浪速の葦から・・「アシ」:大阪が発祥の地を示す
玄関で記念撮影 |
帰りには本日の夕刊と見学記念版の新聞をいただきました。ここをクリックしてご覧ください。
*午後は希望者で鳴尾浜臨海公園を散策、解散する。
見学のご感想はいかがだったでしょうか。良きもあしきも、人心に大きな影響を与えるマスコミです。それだけに新聞の果たす使命は重大です。新聞を読むときのコツを、シニア自然大学講座「メディアにだまされないために―食と環境」(朝日新聞科学医療部記者 2007.8.3)のお話から拾ってみました。ご参考に。
<情報を見分けるコツ>
1.情報源は信頼できるか ヒトを対象に確かめられているか 何人で確認されているか 論文になっているか 良い雑誌に掲載されているか 2.「○○を食べれば・・・・・」というような単純な情報は信じない 3.「危険」「効く」など極端な情報は要注意 4.体験談や感情的な訴えに引き込まれすぎない 5.「やばそう」の度合いはどれぐらいか比較する |
写真・編集 平山
武庫ネイチャークラブ