UP 2020.11.7 HRY
MNC山歩会 2020年11月例会
猪名川 雨森山を歩く
 ◇ 日時:2020年(令和2年)11月4日(水)、天気 晴れ
 ◇ 集合:10:00 能勢電 日生中央駅
 ◇ 行先:雨森山(383.7m)
 ◇ 参加者:MNC山歩会 12名(男8、女4) リーダー:中村(三)
コースタイム
能勢電鉄日生中央駅10:05~内馬場三叉路10:25~新開窯10:45~雨森山登山口10:50~山頂(11:45~昼食~12:15)~内馬場の森・知明湖畔12:50~知明さくら橋13:30~出合い地区なぎさ広場13:40~一庫ダム展望台14:10~一庫唐松公園14:15~日生中央駅15:00            歩行 約11km 5時間 高低差約250m
Route Map(GPS軌跡)

本文
「日生中央・内馬場」
 実施予定日の2日(月)が雨のため、急遽4日(水)に延期して実施しました。能勢電鉄日生中央駅に集合。今日の参加者は12名です。注意事項やコースの説明後出発。日生中央駅の歩道橋を渡り、近畿自然歩道(旧丹州街道)に入る。この道を辿って雨森山登山口を目指します。この古道は明治22年に新道ができるまでは、篠山方面から能勢町を経て内馬場、一庫、池田へと丹波米を運ぶ牛馬や丹波杜氏、近隣の農民が足繁く通った道です。また、今では道のところどころに人物などの石彫刻像が置かれ「猪名川町彫刻の道」とも呼ばれています。田畑の中に続く道を20分ほど歩くと約25世帯の集落からなる内馬場に入ります。稲刈りの済んだ田んぼと雑木林は北摂の代表的な里山の景観を見せています。

日生中央駅からスタート リーダーは中村(三)さん

近畿自然歩道(彫刻の道)

内馬場から雨森山を望む
「池田炭」
 内馬場の分岐を左へ15分ほど歩くと、雨森山に入る側道があります。側道に入らず近畿自然歩道を左へさらに100mほど進むと小さな小屋が右手に見えます。近隣のボランティア団体により管理されてきた炭焼き窯の小屋で、この山に植え付けられた台場クヌギを材料として池田炭が作られています。池田炭は樹齢8年から10年のクヌギの若木を焼き、焼き上がった炭の断面が菊の花びらのように見えることから菊炭と呼ばれています。古くから北摂地方で生産され、集積地の池田から全国に出荷され茶の湯炭として広く使われていました。雨森山の山中にもいくつかの炭焼き窯の跡が見られました。

炭焼き小屋

炭焼き小屋内部
「雨森山」
 側道まで戻り、緩やかなスギ植林地の山道を登っていくと、クヌギなどの落葉広葉樹の自然林が見られてきます。コナラやクヌギの落ち葉を踏みながら小さな谷に沿って登ります。クヌギの植林地も見え、一帯の若いクヌギは高さが1.5mくらいに切りそろえられていました。将来の台場クヌギ林として育成中のようです。

側道から雨森山へ

ホウの落葉道

台場クヌギ林
 山頂近くの急な道は溝状になっており、落ち葉が分厚く降り積もっていました。鞍部へ出てしばらく行くと山頂にたどり着きます。山頂には小さなベンチもある広場になっており、素晴らしい展望が得られます。南には川西の市街地、中山連峰の山々、大阪湾から紀伊方面、また東に妙見山、五月山から箕面に連なる稜線、西から北には六甲山、三蔵山や三草山が居並んでいました。ここで食事休憩。

頂上直下の溝状の道を登る

雨森山到着

眺望を楽しみながらお弁当

雨森山頂上から南の展望(川西の市街地、中山連峰の山々、大阪湾から紀伊方面)
「内馬場の森」
 景色を堪能した後、知明湖側に下山しました。足元に注意しながら少し急な坂を下ります。こちらの山側は森林ボランティア「猪名川町里山倶楽部」により丁寧に整備され、いくつかの小さな広場が作られていました。内馬場の森はコナラ、アベマキ群集の典型的な森で、アベマキの大粒のどんぐりがたくさん道に落ちていました。リョウブ、ネジキ、コバノミツバツツジなどの木々も林立していました。珍しい木としてハリギリも見られました。また、この地域にはエドヒガンの木が多数存在し、春の桜の開花の時には見事な風景を作り出しているようです。おおよそ30分で知明湖畔に到着。到着した場所の辺りに、葉が「コクサギ型葉序」という特殊な付き方(葉が2枚ずつ左右交互に互生)をするコクサギがありました。

紅葉の始まった雨森山を知明湖に向け下山

森林ボランティア「猪名川町里山倶楽部」の拠点とエドヒガンの森

ハリギリ

コクサギ(葉が2枚ずつ互生)

知明湖畔へ下山
「知明湖・一庫ダム」
 知明湖は一庫ダムによって形成された人造湖で、この付近にある知明山に由来した名前です。全国ダム湖百選に選ばれており、またダムおよび知明湖付近は猪名川渓谷県立自然公園に指定され、近畿自然歩道のハイキングコースともなっています。車道を一部避け、知明湖畔に下り、湖畔に沿って赤色に輝く知明さくら橋のふもとまで、湖と山に囲まれた狭い小道を歩きました。再び車道に出て、ダムで水没した村落をしのんで建てられた出合いなぎさの碑を経て、一庫ダム展望台まで、知明湖の釣り風景や周辺の植物を観察しながら進みました。

国道173号線を歩く

国道トンネルを避けて知明湖畔へ下る

湖底に沈んだ村落を偲ぶ 望郷の碑
一庫ダムは猪名川の支流の一つである一庫大路次川をせき止めて作られたダムで、展望台からはどっしりとした提体と緑の水をたたえた知明湖が見渡せました。

出合地区なぎさ広場

知明山と知明さくら橋

一庫ダムが見えてきた
一庫ダムの雄大な風景を堪能した後、一庫唐松公園に下り、日生中央駅に向かい、15:00に駅に到着。

大路次川と一庫ダム

日生中央から雨森山を振り返る
紅葉の始まった里山の風景をゆっくり観察することができ、またダムで作られた人造湖が自然に溶け込んできている姿を見る事ができた楽しい約11kmコースの1日でした(了)。

雨森山三角点を囲んで

一庫ダムを背景に
文/中村(三)、写真/中村(三)・平山、編集/平山
武庫ネイチャークラブ 山歩会

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