UP 2013.10.28 HRY

−宝塚市立末広小学校3年・環境体験学習支援

生き物つながりたんけんたい(秋季編)
■日時:10月25日(金) 9:30〜12:10 天気 雨
■場所:宝塚市立「宝塚自然の家」
■テーマ:「宝塚自然の家」で 生きものつながりを発見しよう
■対象:末広小学校3年1組(紙谷学級)23名、3年2組(長船学級)24名
■MNCスタッフ 18名

学習の目的

 子供達も3年生になると身近な自然と自分達との係わりに関心を持ち、深く考えるように見受けられます。雨が降る「宝塚自然の家」環境で、秋の季節感として降る雨の冷たさから秋の気配を感じる事、散策路の草花や樹木の実から秋の訪れを知る事、樹木の紅葉から秋の深まりを捉える事等が体験出来ます。身近な環境から季節の変化の“きざし”を感じ取ることが出来る子ども達が増えることを期待して、MNCスタッフがお手伝いします。
 多目的室ではギフチョウとカンアオイの話、アリジゴク(ウスバカゲロウ)の一生(紙芝居仕立)、植物の実物の種を使って「種の広がり方」の話から生物のつながりの発見を期待します。また、歴史民俗資料館では昔の農家の暮らしの中で使われていた道具類などを見学し、自然との係わり方を感じてもらうようにします。

スケジュール

 8:30       MNCスタッフ宝塚駅前に集合、私有車に分乗して宝塚自然の家へ
 9:30       児童は多目的室に集合(1班〜8班)
           軸屋さんから学習の目的について説明
           村上さんからギフチョウとカンアオイについてのお話
 9:50〜10:40  1グループ(1班〜4班)、2グループ(5班〜8班)に分かれて行動
           1グループは多目的室で勉強、2グループは散策路での観察、民俗資料館の見学
10:40〜11:30 2グループは多目的室で勉強、1グループは散策路での観察、民俗資料館の見学
11:30〜12:10 学習のまとめ、昼食、お礼のあいさつ
12:10       終了

朝の挨拶

歴史資料館前で傘をさしての説明

感想発表

多目的室の勉強(9:30〜10:40)

 子供達は「宝塚自然の家」で保存しているギフチョウのサナギや栽培しているカンアオイを手にとって観察しました。さらに、アゲハチョウとミカン、モンシロチョウとキャベツの関係から、チョウと植物のつながりについての説明もありました。
アリジゴクの紙芝居では「アリ地獄に落ちたアリはどうなるのか?」の話から生物は他の生物の命を頂いて生きている事に理解を深めてもらいました。
植物の種では現物の種を使って、カエデの種はプロペラのように飛ばしてみたり、オナモミの実をタオルや服に着けて体験してもらいました。

足元に気を付けて

オープニング

ギフチョウの話

紙芝居(アリジゴクについて)

こちらを見て(種の広がり方)

なるほどなあ
 ギフチョウは4月上旬から5月上旬にしかいない美しいチョウ。卵をカンアオイなどに産む。
その数は1匹で50〜100個くらい。卵は3週間くらいで孵化、幼虫になり、6月ごろにはさなぎになる。さなぎは夏、秋、冬を越し、翌年サクラの咲く頃、チョウになる。しかし、多くの天敵に食べられて、ギフチョウになるころには僅か数匹になっている。カンアオイはよく手入れされた里山の半日陰の場所でないと育たない。今は山が放置され、カンアオイの育つ場所が減ってしまった。そのことによってギフチョウが激減し、今では絶滅危惧種になった。宝塚自然の家では、ギフチョウをケージで飼い、ケージの中のカンアオイを観察して卵が生まれていると室内の飼育箱に移動し、翌年の春、さなぎの入った植木鉢をケージにもどす。そのようにしてギフチョウを天敵から守り、食草のカンアオイを育て、絶滅から守っているのです。

わーすごい

はなれない
 
まなざし

散策路の観察、民俗資料館見学(10:40〜11:30)

 雨が降っているため散策路の観察は事務所からギフチョウのゲージを経由して歴史資料館までに短縮して行ないました。ソヨゴの実、コバノガマズミの実、ギフチョウのゲージの説明をして、歴史資料館では、昔の農村の生活様式では自然を上手く利用して自然と一体感になっている生活の暮らしについて説明をしました。

散策路の観察


足元に気を付けて

観察

いろいろな植物や虫

 
カンアオイ
 
ギフチョウのサナギ
 
モミジ
 
ウルシ
 
サルトリイバラ
 
ソヨゴ

ガマズミ

アリジゴク

ナツハゼ

民族歴史資料館で


昔の農家

農家の家の中

農機具


とうみ

草取り器とくわ
 
水車

感想

 太平洋上を北上する超大型台風(27号、28号)が秋雨前線を刺激して、昨夜来から雨が降り続いているため計画は大幅に変更しました。生物のつながりで虫や昆虫を実際に捕まえて観察できなかった事は残念でした。しかし、長靴をはき、合羽を着て雨の中を観察に出ていく子供たちを見て、自然とのかかわりを勉強しようとする意気込に勇気を与えられました。
ギフチョウはカンアオイが無ければ絶滅してしまう事や「アリジゴク」の紙芝居を通じて生物のつながりを理解してもらえたと思います。
子供達はガマズミの実を口にして酸っぱい味や、ナツハゼの実の美味しさなどを体験した事は印象に残ったものと思います。
子供達は野外に出ての自然観察が大好きです、新しいものを見つけた事、初めて体験した事、ああ―そうだったんかと納得した事など、全ての子供に共通しているのは嬉しそうな目の輝きでした。
MNC指導スタッフもお疲れになった事でしょうか?それとも子供達から元気なパワーを貰った事でしょうか?  雨降りの中、ご苦労様でした。有難うございました。

児童とMNC指導担当者

 3年1組(23名)       3年2組(24名)
1班 6名 沼田、木下   5班 6名 井上(驍)、村上
2班 6名 星野       6班 6名 今西、内木
3班 6名 村瀬       7班 6名 矢野、吉田
4班 5名 斉藤、高橋   8班 6名 石橋、有田

総括:軸屋、 記録・写真:永田、 総務・時間管理:坂本
 説明者:アリジゴク(木村)、ギフチョウ(村上)、歴史資料館(坂本)

文・写真/永田、編集/平山
武庫ネイチャークラブ

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