UP 2012.10.25 HRY
−宝塚市立光明小学校3年・環境体験学習支援−
生き物つながりたんけんたい(秋季編)
■日時:10月23日(火) 10時〜12時30分 天気 雨 ■場所:宝塚市立「宝塚自然の家」 ■テーマ:学校を離れ、宝塚の郊外の豊かな自然の中で、 生き物のつながりを学ぶ ■対象:光明小学校3年生1組20名 2組21名 担任 疋田直子先生、篠田充世先生 ■MNCスタッフ 20名 |
主旨
西谷の自然豊かな「宝塚自然の家」をフィールドに生き物のつながりを探検します。
「宝塚自然の家」では、絶滅危惧種のギフチョウの飼育に力を入れています。日本にしかいないギフチョウの生態を知って、自然環境を大事にすることの大切さを学んでほしい。
歴史民族資料館を見学して、自然環境を守り、暮らしに工夫を重ねた、昔の農家の生活を知りましょう。又、生き物つながりを学ぶ教材として、アリジゴクの生態を紙芝居にしています。野外のアリジゴクを見ると小さい生き物も一生懸命なんだなと実感できるでしょう。宝塚自然の家の森にどんな生き物がいるか、木の実や昆虫、野鳥などに目を向けて生き物つながりを学んでいきましょう。
スケジュール
本日は雨が激しく警報が出て、9時開始の予定が10時になりました。そのため、予定を変更し、多目的室での学習がメインになりました。
10:00〜10:50 多目的室に集合 ギフチョウのお話(黒田さん) アリジゴクの紙芝居(木村さん) 11:00〜11:40 生き物つながり発見と歴史民俗資料館見学 11:50〜12:10 昼食及び学習のまとめ 11:15 終了 |
多目的室で
始めのご挨拶 |
ギフチョウのお話 (黒田さん)
ギフチョウの幼虫
幼虫の食草カンアオイ
ギフチョウのさなぎ
ツツジの蜜を吸うギフチョウ
ギフチョウは日本にしかいません
メスの方が大きいよ
ギフチョウは4月上旬から5月上旬にしかいない美しいチョウ。卵をカンアオイなどに産む。
その数は1匹で50〜100個くらい。卵は3週間くらいで孵化、幼虫になり、6月ごろにはさなぎになる。さなぎは夏、秋、冬を越し、翌年サクラの咲く頃、チョウになる。しかし、多くの天敵に食べられて、ギフチョウになるころには僅か数匹になっている。カンアオイはよく手入れされた里山の半日陰の場所でないと育たない。今は山が放置され、カンアオイの育つ場所が減ってしまった。そのことによってギフチョウが激減し、今では絶滅危惧種になった。宝塚自然の家では、ギフチョウをケージで飼い、ケージの中のカンアオイを観察して卵が生まれていると室内の飼育箱に移動し、翌年の春、さなぎの入った植木鉢をケージにもどす。そのようにしてギフチョウを天敵から守り、食草のカンアオイを育て、絶滅から守っているのです。
ウスバカゲロウの幼虫には大きな角がある
アリジゴクは後ろにしか進めません
大あごを使って砂を浴びせかけすべり落とします
幼虫は巣に落ちた獲物の体液を吸います
アリジゴクはウスバカゲロウの幼虫や巣のこと。体長1,5cm位 アリジゴクは後ろにしか歩けないので、後ずさりしつつ大きなあごで円錐形の穴を掘る 巣が出来ると穴のそこにもぐってありなどが滑り落ちてくるのを待つ アリジゴクは3年ほど幼虫の時期を過ごし、やがて繭からさなぎになり、成虫になる アルジゴクは少ない餌でも耐えられるように、エネルギーを消費せず幼虫時代は1度も糞をしない |
野外観察
ギフチョウ飼育ケージ |
ガマズミの実 |
ガンピという木の繊維で和紙を作ります |
サルトリイバラ葉っぱでお餅を包んだりします
ハッチョウトンボ(体長2cm)日本で1番小さいトンボ
古民家及びその周辺で
これでお米を炊いていたんだよ |
稲わらから籾を取り出します |
昔の人は高い枕で寝ていたんだね
ダンゴムシの入ったアリジゴク
今日の学習のまとめ
児童たちの感想 ・雨だから虫はほとんど見つけられなかったけど、昔の人が使っていたものを今日だけでたくさん知 れたのがうれしかった ・警報が出て、来られないと思っていたけど来ることが出来たし、知らないことがたくさん分かってよかった ・ギフチョウは春の初めに出てくることが分かった ・ギフチョウが日本にしかいないことが不思議だった ・カンアオイを覚えた ・アリジゴクを見てすごいと思った ・アリジゴクに木村さんがダンゴムシを落としたら小さい角が見えた ・アリジゴクは後ろ向きに巣を作ることが分かった |
天候には恵まれませんでしたが、子供たちはしっかり学習してくれました。スタッフは準備のし甲斐があったなとうれしい思いです。1月の野鳥観察では晴れになーれ!
後日、先生からの礼状が届きました(こちら)。ありがとうございました。
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文・写真/軸屋、編集/平山
武庫ネイチャークラブ