UP 2012.4.30HRY
MNC山歩き(1)
丹波 ヒカゲツツジの向山 (水分れ公園から周回) |
水分れ公園〜観音堂〜向山三角点〜清水山〜鳳翔寺〜水分れ公園
◇日時:2012.4.28(土) 晴、夏日
◇行先:丹波市春日町 向山(569m)
2.5万地形図 柏原
◇参加者:MNC山歩会 7人
行程:
JR宝塚0749・・・JR石生駅0907→水分れ公園・観音堂0928→二の山1000→三の山1030→四の山1050〜向山三角点(1140〜昼〜1210)→五の山1225→蛙子峰1240→珪石山1300→清水山1310→剣爾山1335→鳳翔寺(1415〜1430)→水分れ公園・資料館前(1445〜1550)→JR石生駅1617・・・JR宝塚駅1750
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駅からハイキングできる数少ない山、福知山線石生駅下車歩10分。水分れ公園から向山連山を周回する。満開のヒカゲツツジがアーチをつくって出迎えてくれた。真夏日を思わせる好天の下、丹波の春を満喫した一日でした。
向山・ツツジが岡展望所から三の山、四の山を望む |
「観音堂から」
水分れ公園は100mに満たない日本一低い分水界。海水位が100m上がったらここで日本列島は2分する。公園北の観音堂に7人の登山の無事を祈念して裏山へ取り付く。人間世界から野生の世界への扉を開ける。いきなり見上げるような激登りが始まる。体を慣らす間がなく、ぜいぜい!はあはあ!誰かがアルプスを登っているようだとつぶやく。シジュウカラ、ウグイスの声に励まされて、ゆっくりと歩む。200m付近で某女史が座り込む。稜線へ出るまでの辛抱と励ましたものの、滝山古墳下でついにダウン、引き返すことに。残念だが、止むを得ない。6人で先行する。二の山(298m)から三の山・谷中分水界起点を経て岩座展望所へ。ここで初めて眼下に水分れ公園、対面に珪石山、清水山、剣爾山、方面が展望する。
観音堂登山口で
二の山(298m)
岩座展望所から水分れ公園を俯瞰 |
岩座展望所から珪石山・清水山・剣爾山方面 |
「出会い」
更にひと登りして三の山(470m)へ。ここを過ぎたあたりから優勢を誇っているコバノミツバツツジのなかにヒカゲツツジが現れる。ゴールデンウィークが始まり、散ってしまっているのではないかとの思いは杞憂に終わる。春先に続いた寒波で10日ぐらいは遅い。尾根の日当たりのいい南斜面には赤紫色のコバノミツバツツジ、日当たりの少ない北斜面には淡いクリーム色の花を付けたヒカゲツツジとすみ分けているようだ。
ヒカゲツツジとの出会い
亜炭展望所から四の山(511m)で標高500mを越えてくる。ヒカゲツツジの数が増す。日当たりのいい場所はもう花が色あせて見える。やっぱりヒカゲが好きなんだ。谷の方からピーリー・ピポヒーリー・ジジとオオルリのさえずりが聞こえる。松の台展望所、深坂北峰(521m)とビューポイントが続く。振り返る四の山北斜面はクリーム色に染まり、その向う水田が光る氷上盆地に五台山がくっきりと浮かぶ。
松の台展望所から四の山北斜面
深坂北峰
「ヒカゲツツジのトンネル」
深坂北峰を過ぎた辺りからヒカゲツツジのトンネルとなる。長いのあり、短いのありと圧巻だ。ツツジが岡展望所で振り返る連山は本日最高の眺めである(トップ写真)。
ヒカゲツツジのトンネルが続く
ツツジが岡展望所(コバノミツバツツジと競演))
木陰が似合うヒカゲツツジ
やがて向山三角点(569.0m)に到着する。北側が切り開かれ春日方面が展望する。正面に黒井城址が見える。数組のカップルやグループも休憩中なので、少し早いが昼食とする。気になっていた某女史は息を吹き返して四の山でヒカゲツツジに出会えたと喜びの電話。良かったね。
向山三角点からの展望(春日平野と黒井城址)
ヒカゲツツジのトンネルで
「清水山へ」
至福のひと時を過ごし、後半の部へ出発。岩稜を縫う道にもヒカゲツツジが似合う。赤紫色の岩石は丹波層群(2億年前)のチャートで、昔海底であったことを物語っていると地質に詳しいH女史の解説が入る。連山最高峰の五の山(591m)も北斜面が切り開かれていた。蛙子峰から珪石山南を回る。ここで水分れ公園への中央ルートを分ける。このルートも激登りらしい。巨大なくぼ地は採石の跡だろうかあるいは自然のなせる業なのか。ヒカゲツツジがなくなり、スギ・ヒノキの植林帯となる。清水山(542m)へ到着。関電の大きな反射板があり、その向うに柏原の町が広がる。小休止して急激な下りに備える。
珪石山謎の洞窟
清水山
「鳳翔寺へ」
激下りの道が始まる。こちらはほとんどスギ・ヒノキの植林帯で展望はなくなる。イルカ岩、博打岩の巨岩を過ぎて剣爾山(416m)で一休み。切り開きから辿ってきた連山を振り返る。やはり急峻だ。よくぞここまでがんばったものだと自分をほめる。再び植林の道を下る。
剣爾山から向山連山を振り返る
天狗岩に突き当たる。岩場の上から柏原の町や、鳳翔寺の屋根がよく見える。もう地上は近い。再び急降下して谷に下りる。河原なのだろう、落葉の下の小石で歩きにくい。扉を開けて、野生の世界から人間世界へ戻ってきた。もう鳳翔寺の境内だ。ツガの巨木(県下一、天然記念物)の下で汗をぬぐう。
天狗岩 |
人間世界へ戻る |
鳳翔寺とツガの巨木
「水分れ公園」
水分れ公園に戻ってきた。いそ部神社境内の茶店の缶ビールで乾杯、本日の疲れを癒す。お土産は高谷川上流の水分れ名水。この水は日本海(由良川)、瀬戸内海(加古川)どちらに流れるつもりだったのだろうか。午後4時、日差しはまだ高く暑い。向山を背に、田の代かきにいそしむ農家の皆さんと挨拶をかわして石生駅へ歩く。
水分れ公園から向山
いそ部神社
瀬戸内海と日本海に分かれる高谷川
データ ヒカゲツツジ(日陰躑躅) ツツジ科ツツジ属 常緑低木(樹高1〜2m)・互生(輪生)・単葉・不分裂葉・全縁 本州(関東以西)、四国・九州に分布。 岩尾根や岩壁に生える。別名:サワテラシ |